Case Study 03

DXで物流サービスを革新、顧客満足度を向上

ホンダトレーディングのグループ会社であるHonda Trading Asia Co., Ltd.(所在地=タイ・バンコク)は、物流事業において自社倉庫を保有し、部品や設備、原材料領域で輸出サービスやタイ国内での事業を展開しています。近年はデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した生産性向上や顧客満足度の向上に取り組んでいます。タイで物流事業に携わるおふたりに、現在の取り組みや今後の見通しについて聞きました。
※情報は2025年3月時点のものです。

DXを駆使し、タイ国内において4つの倉庫を運営

DXを駆使し、タイ国内において4つの倉庫を運営

ー事業概要について教えてください
Ariya:タイ国内に4つの倉庫を運営し、お客さまに応じた最適な物流サービスを提案しています。ジャストインタイム(JIT)納入や、納入前検査、そしてお客さまが求める荷姿への詰め替えなど、さまざまな物流サービスを手掛けています。

倉庫はHondaの製作所をはじめとするお客さまが多く所在するアユタヤ県とプラチンブリ県にあり、お客さまの近くで倉庫オペレーションをしていることが特徴です。そこでタイ国内のお客さまに納入サービスを提供する他にも、製品の品質を担保する為に重要な輸出梱包サービスを手掛けており、現在16カ国向けに輸出を行っています。

ーDXではどのような取り組みを進めていますか?
Ariya:私たちは4つの倉庫すべてにおいて、自前で業務管理を行っていますが、倉庫管理システム(WMS)やその他のサブシステムを活用しながら、DXやイノベーションを実行しています。

具体的にはシステムやIoT機器を使用した倉庫運営の精度向上や業務の可視化を中心に進めています。
3Dスキャニング機器や3Dプリンターの活用による効率的な輸出梱包仕様の設計、また、梱包ラインにカメラを導入していますが、梱包不良を予防することでお客さまに正確なデリバリーを担保しています。
他にもIoT機器を活用して倉庫の温度管理機能を導入しており、温度管理が求められるような精密製品の取扱いにも対応しています。

さらに、トレーサビリティを確保するために、QRコードやRFIDを活用した業務管理、そして自律走行搬送ロボット(AMR)も導入しました。
DXやイノベーション技術を活用することで、複数のオペレーションタスクを複数の場所で管理することが可能になりますし、お客さまの大切な製品を取り扱う物流センターとして、安心安全なオペレーションを追求しています。

自律走行搬送ロボット(AMR)が大きな効果を発揮

自律走行搬送ロボット(AMR)が大きな効果を発揮

ーAMRの活用例について詳しく教えてください。
Somya:AMRは自動化の一環として、2024年9月に本格導入し、大きな成果を上げています。AMRの活用により、オペレーションの効率化を図るとともに、貨物の取扱い品質も担保できるようになりました。

成果としては、これまでは多くのオペレーターが複数のフォークリフトやハンドリフトで荷捌きをしていましたが、AMRを導入したところ、必要な要員やフォークリフト類を半分以下に減らすことができました。
作業者はより創造的な業務に当たることが出来ますし、お客さまにコスト競争力として貢献できると考えています。

ーWMSについても説明をお願いします。
Somya:私たちは倉庫内のすべてのオペレーション、例えば、貨物を受け入れてからお客さまにお届けするまでの全ての倉庫内の業務を独自のWMSで管理しています。さらに、さまざまなサブシステムを自分たちで開発し、それらをWMSと連携させることで多岐に渡る業務データを統合しています。
これらを通じて、当社の倉庫にある貨物の状況がお客さまにも可視化されますし、その貨物の業務履歴をお示しすることができますので、より安心して活用いただけると考えています。

培ったノウハウを顧客の課題解決に

培ったノウハウを顧客の課題解決に

ーお客様の課題解決について、具体例を紹介いただけますか。
Somya:さきほど梱包ラインにカメラを導入しているとお話ししましたが、これは機械学習を活用した画像認識機能を持ったカメラです。梱包領域においては、誤った部品を梱包してしまったり、定められた数量を梱包していなかったりと、稀にトラブルを発生させてしまいます。これらのトラブルを予防する為に、AIカメラを不具合検知に活用したり、わたしたちの梱包作業のトレーサビリティを確保することで、物流品質を担保しています。

実際に2024年3月末以降、そのような不具合報告や苦情は1件もいただいていません。
お客さまの視点では当然のご期待かもしれませんが、この実績は誇らしいものと感じています。

システムやオペレーションの変革を通じた付加価値向上を追求し、新たなビジネスチャンスを獲得

システムやオペレーションの変革を通じた付加価値向上を追求し、新たなビジネスチャンスを獲得

ー今後の展望について聞かせてください。
Somya:私たちはサプライチェーンマネジメント(SCM)において、多様なソリューションを提供できる会社になっています。今後は、私たちが卓越したSCMのプラットフォームを提供するサービスプロバイダーになっていきたいと考えています。

お客さまが調達物流業務をお持ちであれば、私たちが提供する物流プラットフォームを活用いただくというイメージです。
そこで鍵となってくるのが、私たちが持っているデータや各お取引先さまが持っているデータといったビッグデータを統合すること、それらをオペレーションの最適化に活用して、在庫の最適化や例えば輸送トラックのルートの最適化に活用していくという構想を描いています。
また、お客さまやパートナー企業の方々がどんなデバイスからでも使えるようなサービスにしたいですし、そのサービスがリアルタイムで可視化されることも重要です。

少し未来的な話に聞こえるかもしれませんが、近い将来に成し遂げたいイメージです。
オペレーションの変革を通じた付加価値向上を追求し、お客さまに選ばれ続ける、そして存在を期待されるサービスを追求していきたいと思います。
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