設備・環境事業部は、工場で必要とされる各種生産設備、金型、工具、消耗品など、幅広い商材を取扱っています。近年はこれまでに培った経験やノウハウを通じて、Hondaグループ外や他業界からも当社サービスを活用いただくことが増えています。設備・環境事業部のおふたりに、取り組みの現状や今後の展望について聞きました。
※情報は2025年3月時点のものです。
ゼロベースで提案・コンサルティングする一貫ソリューションを展開
- ー設備・環境事業の概要と特徴について教えてください。
- 阪本:当事業部では工場において必要とされる各種生産設備、金型、工具、消耗品を取り扱っています。国内外の調達ネットワークを活用し、高品質で最適な設備をお客さまに提案するのが、私たちの役割です。
また、お客さまの困りごとに対してソリューションを提案し、すぐに調達できないものであればゼロベースで開拓するなど、一貫ソリューションを提供するのが私たちの仕事です。
岡田:さらに付け加えると、私たちは調達面だけでなく、プロジェクト管理やアフターサービスもコアビジネスとして展開しています。例えば設備の仕様の擦り合わせからはじまり、全体の納期管理、設備の据え付けや機械のメンテナンス、補修部品の供給といったサービスです。
阪本:そうですね、私たちは海外向けのビジネスが多く、Hondaグループの中で自動車生産の川上から川下までさまざまな領域の方々と一緒に、設備の仕様や予算、輸送方法、スケジュールを決めるといったコンサルティングのような役割も担っていると言えるのではないでしょうか。
- ーHondaグループ以外との取引についてはいかがですか?
- 阪本:他自動車OEM系列の部品メーカーさまとも、お取引があります。Hondaグループ内のビジネスで培ってきた現場対応力や知見を活かし、自社製造子工場や協力メーカーと連携して、Hondaグループ外からも継続的な受注を獲得してきました。
岡田:当社は金型や検具の製造拠点を海外に持っているため、こうしたネットワークを活用し、よりグローバルに幅広いお客さまにサービスを提供できると考えます。グローバル調達網や、国際税務・輸出規制を熟知したコンプライアンス対応も、当社の強みです。
グローバルネットワークを活用した迅速な現場対応、カスタマイズ営業力
- ー海外ネットワークを活かした事業展開について、詳しくお話を聞かせてください。
- 阪本:私たちは世界19ヵ国に現地法人や駐在員事務所を構えており、グローバルレベルで常に新しいもの、お客さまにとって競争力のあるものを探しています。私たちは中国に金型メーカーを保有しており、経験やノウハウ、技術を共に蓄積してきました。その強みを活かして、さまざまなお客さまに提案を行い、受注実績も積み上げています。
なによりもトラブルが起きた時の現地拠点と連携した迅速な初動対応や品質に対していただく評価が、継続した受注につながっていると感じています。お客さまからは、当社を活用することによって安心して管理を任せることができ、自社の製造領域に集中できるといった評価もいただいています。
岡田:中国以外でも、当社のグローバルネットワークを活かし、「タイに良い設備があるので、それをベトナムの製造拠点に導入できないか」といったように、近隣国でネットワークを広げていく動きも活発になってきました。こうした動きができるのは、私たちが各国の現地法人・駐在員同士で連携を取っているからです。
- ー海外の製品を日本に紹介したような例はありますか?
- 阪本:私は2023年までブラジルに赴任しており、現地スタッフとともにサプライヤ開拓を行っていました。その中で現地スタッフが、溶接工程で使用されるガスを節約する機器を製造する企業を見つけたのです。
そこで当社のネットワークを活かし、ブラジル国外に拡販しようと日本へ営業をしてみると、「それは面白い」「目の付けどころが良い」といった反応をいただき、日本に輸出することができました。この機器は自動車メーカーさまだけでなく、オフィス家具メーカーさまなどにも納品でき、東南アジアやその他の地域においても現在に至るまで好評をいただいています。
他にも、経費削減や環境対応といったお客さまのその時々のニーズに応える為、海外ネットワークをフル活用して、欧米の産業用計測機や台湾製の加工機などを発掘し、日本のお客さまに提案してきました。
スタートアップと協業し、AIによる外観検査システムを納入
- ー自動化や省人化など、ものづくりの変化に対応したソリューションについてもお聞かせください。
- 阪本:自動化・省人化に関しては、2023年から取り組みを始め、現在は主にプレス領域の各工程における商材を提案しています。その中でも特に、AI(人工知能)を使った外観検査の自動化に対するニーズが高まっていると感じています。
外観検査の自動化については、スタートアップとネットワークを構築し、お客さまにとって最適な技術を模索・提案することを主な活動としています。その際には、ただ提案するだけでなく、その外観検査システムをお客さまの工程にいかに効果的に導入できるかを、お客さまと一緒になって検証することが不可欠です。こうしたサービスやシステムのカスタマイズに力を入れています。
人材不足の製造現場で人によるばらつきを無くし、品質を安定させるためには、AIの活用は効果的なソリューションではないでしょうか。ただ、AIは製造現場において実績の少ない技術ですので、当社がこれまで培ってきたお客さま視点のカスタマイズ力を活かしつつ、お客さまと一緒に一歩ずつ歩んでいるところです。
- ー今後、Hondaグループ外の顧客を獲得していくためのアピールポイントはどこでしょうか?
- 岡田:これまでに培ってきたプロジェクト管理や現場対応力、カスタマイズ営業力です。
"オールホンダトレーディング"として、外販に力を入れて営業活動を行なっていますが、特に自動車業界において培ってきた現場対応力、カスタマイズ営業力を評価いただき、直近では大手計測・制御機器メーカーさまから、東南アジア向けの設備機械導入の案件を受注しました。
また、HTの自動車業界での経験やノウハウにより、これまでなかった新しい視点を取り入れることができるのではないか?といったご期待もいただき、大手医療機器メーカーさまから具体的な相談を受けています。
このように当社の強みを通じて、他業界のお客さまにも興味を持っていただける手ごたえを感じていますし、少しずつ成果が出始めているところです。
私たちは、「お客さまに選ばれ続けるソリューションプロバイダー」として、顧客課題解決型ビジネスに新しい風を吹きこうもうと努力しています。まずは設備導入に関する困りごとなどお気軽にご相談をいただければ嬉しいですね。