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ホンダトレーディングのエネルギーマネジメント事業カーボンフリー社会の実現へ エネルギー戦略に新たなアイデアを

持続可能な社会の実現を目指し、独自のサステナビリティ基本方針に基づく「エネルギーマネジメント事業」を推進するホンダトレーディング。
数多くのビジネスを創造してきた強みを活かし、太陽光発電・売電事業、再生可能エネルギーを軸とした蓄電・充電事業など、新たなプロジェクトに次々と挑んでいます。
Project Interviewエネルギーマネジメントを、攻めの「ビジネス」へ
世界に拠点を構える当社において、エネルギーマネジメント事業をリードするのがHonda Trading (CHINA) Co., Ltd.(以下:HTCH)です。
前例のないプロジェクトに果敢に挑む現地のメンバーに、現在の想いや展望について聞きました。※情報は2025年3月時点のものです。

Smart Factory Environment Division, HTCH
劉 志平
2004年入社。樹脂や部品関連部門の業務を経て、2023年にホンダトレーディング初となる太陽光発電・売電ビジネスの立ち上げを、中心メンバーとして実現させる。
Smart Factory Environment Division, HTCH
鈴木 裕之
2006年入社。長く設備関連の業務に携わり、インド、アメリカなど海外拠点での豊富な経験を持つ。2022年よりHTCHにて、環境ビジネスの立ち上げを推進。
環境活動は「取り組み」ではなく、「ビジネス」の時代に

- ―HTCHは、エネルギーマネジメント事業でリードする存在として各拠点の注目を集めています。この背景として、中国における環境ビジネスの急成長があると思いますが、現地の実感としてはいかがですか?
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鈴木:まさに「環境ビジネス先進国」であることを、日々の業務や生活の中でも実感しています。中国ではかなり早い時期から、政府が環境への取り組みを進めてきたこともあり、経済界においてもその流れに沿った多くのビジネスが生まれ、成長を続けています。
自動車業界で言えば、2024年の中国国内新車販売台数のうち、EVなど新エネルギー車が50%以上を占めるまでに。この5年ほどでバスやバイクも電動化が進み、排出ガスの量も大きく削減され、街なかの空気もとてもきれいになったと感じています。
劉:一方で、環境ビジネスの競争が激化しているのも事実です。国内では太陽光パネルメーカーの価格競争により、多くの企業が赤字に陥っていると言われています。それだけ中国経済において環境ビジネスがメインストリームとなってきたのだと言えると思います。
- ―そのような中国国内の情勢を踏まえ、HTCHは環境ビジネスの展開にどのような戦略を打ち出していますか?
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鈴木:3年ほど前から環境ビジネスに関する事業部横断のタスクフォースを立ち上げました。Hondaの掲げる2050年の「CO₂排出量実質ゼロ」への貢献をゴールとし、具体的なロードマップを全社で共有しています。社内体制も見直し、現場の意識も大きく変わってきました。
ここで重要だと考えているのは、環境活動をいかに攻めの「ビジネス」として確立するか。これまで企業のエネルギー戦略は、節電といった「取り組み」と考えられてきましたが、本気で2050年を見据えた場合、そうした努力だけで到達することは不可能です。高い効果の見込める、収益性のある事業を生み出すことで初めて、真のカーボンフリー社会の実現が目指せるのだと考えています。
環境ビジネス市場が急成長する中国国内において私たちは市場成長期の参入となり、先駆者ではないですが、そのぶん市場の動向を俯瞰し、効率的に事業を進められる強みがあるとも言えます。これまでに基盤事業で培ってきた国内外のネットワーク、積み重ねて来た顧客からの信頼を活かし、スピード感を持って取り組んでいくことが重要だと考えています。
発電した電気を販売する。ホンダトレーディング初のビジネスモデル

- ―2023年5月にスタートした「太陽光発電・売電ビジネス」は、ホンダトレーディング初の取り組みとなりました。この狙いについて教えてください。
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鈴木:環境ビジネスを検討するに当たってはまずはお客さまの使用電力の再エネ化ニーズが強く、その上でさらなるエネルギー事業への展開も可能であると考えたからです。とはいえ当社にとって大きなチャレンジであったことは間違いありません。劉さんが中心となってスピード感を持ってビジネスの立ち上げ、また、その後のメンテナンス管理を行うことで、現在も順調に稼働を続けています。
- ―立ち上げにはどのような苦労がありましたか?
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劉:まず大変だったのは、私を含めメンバー全員が太陽光について知識がなく、ゼロからビジネスを学ぶところからのスタートだったことです。でも一番時間をかけたのは、ビジネスモデルの企画でした。
というのも「太陽光の発電・売電」は、当社でも例のないビジネスモデルだったからです。単純に設備を販売するのではなく、私たち自らで太陽光パネルを購入し、顧客工場の屋根に設置。顧客は使った分の電力を購入するというファイナンスビジネスに近いもの。まずビジネスのしくみや、いま私たちが着手する必然性とその収益性について本社と相談を重ね、さらには固定資産の扱いをどうするか、など細かな調整を行いました。
鈴木:想定していなかった課題も頻発しましたが、一つずつ課題を解決していくことで形にすることができました。今回のことをきっかけに、ホンダトレーディング内に新たな道を拓くことにもつながったと思っています。
現地企業と合弁会社を設立。「蓄電・充電」ビジネスへ本格参入

- ―2024年5月には中国企業と合弁会社を設立し、「蓄電・充電ビジネス」もスタートしました。こちらの経緯について教えてください。
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鈴木:先にお伝えした通り、中国ではEVの普及に伴い、電池を搭載した車をどう活用するかという「エネルギーマネジメント領域」の事業が拡大しています。具体的には、「太陽光」で作り、「蓄電」で需給調整し、「充電器」を通じて電気を使うというサイクルです。
当初より太陽光という再生可能エネルギーを軸に、「蓄電・充電ビジネス」の展開を視野に活動を進めてきましたが、そのなかで、部品事業で取引のあった車載充電器などを扱う中国のShinry社と、私たちのエネルギーマネジメントのビジョンが一致。合弁会社Xinben New Energy (Shenzhen) Co., Ltd.を設立することになりました。
- ―今回の蓄電・充電ビジネスの特徴・強みとは?
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鈴木:Shinry社は充放電技術において高い技術と知見を有しており、一方、HTCHには培ってきた高い営業力があります。まずは急速充電設備、エネルギー貯蔵製品などの販売をメインに、将来的には社会課題でもある使用済みバッテリーのリユースに向けた実証実験などを通じ、VPP(バーチャルパワープラント)などさらなるビジネスの展開を検討していきます。
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劉:合弁会社の設立から一年弱が経過しましたが、現在は営業活動に力を入れている段階です。中国の蓄電池市場も競争が激しく、国内の一時的な景気の落ち込みもあり、厳しい状況は続いています。一方で、引き合いやご相談はいただいていますので、地道に営業活動を続けて受注を目指したいと考えています。なお中国国内と並行し、ホンダトレーディングタイと連携し、広くアジア拠点への展開も視野に活動も続けています。
求められる存在であるために、エネルギーでリードし続ける
- ―最後に、ホンダトレーディング中国におけるエネルギーマネジメント事業の展望、最前線でプロジェクトに取り組むにあたっての想いについて教えてください。
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鈴木:まずは太陽光発電・売電、蓄電池・充電器と、既存のビジネスを着実に成長させていくことが目標です。その上で、先に示した環境ビジネスのロードマップのプランを遂行しながら、Hondaが見据える環境への取り組みに貢献し、持続可能な社会の実現に寄与していきたいと考えています。
劉:環境ビジネスが進む中国においても、エネルギーマネジメントはまだまだ過渡期にあります。未開拓な領域も多く、確かな戦略を持ってビジネスを立ち上げたからといってすぐに結果が出るわけではありません。常に壁にぶつかりながら、その難しさを実感する日々ですが、できることを一つひとつクリアしていきたいです。
鈴木:劉さんが言うように、私たちのエネルギーマネジメント事業が本当の意味で実を結ぶのは何年も先のことになるでしょう。だからこそ将来を見据えていち早くビジネスの下地をつくっておくことがとても重要だと思っています。
これまでホンダトレーディングが基盤としてきたモビリティ分野も、時代と共に大きく変わっていくことは間違いありません。そこで私たちが市場に求められ続けるために何が必要かと言えば、他社が手がけていない領域にいち早く入り込み、確かな知識・ノウハウを蓄積しておくことに尽きます。
世界的に環境ビジネスは確実に拡大していきますし、トップクラスで進んでいるのが中国です。だからこそ私たちが日々肌で感じる、この国のスピード感に乗っていくことが非常に重要だと考えています。道のりは険しく、挑戦の連続だと思いますが、ここ中国からホンダトレーディングのエネルギーマネジメント事業を牽引していきたいです。

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